返信先: Rh(D)式血液型不適合妊娠に対する抗D人免疫グロブリン製剤

#6802
admin
キーマスター

質問の意図は理解しますが、「フィールドでRh不適合妊娠を見つけることがないから」と回答したのは、以下のような現実によります。

1.フィールドホスピタルで日本のように妊婦検診を受けて父親と本人の血液型がわかっている妊婦は来ません。ほぼ全例、もうすぐ生まれそうという状態で来て、日本で言う手帳のような記録を持っている人はいません。なので仮に事前に妊婦が来たとしても父親も連れてきて、といって血液型検査をすることは実際には無理。その理由は、まず父親は来ないか、来るとしてもその説得(説明)に時間と労力がかかるのでフィールドホスピタルで現実的ではありません。

2. 次に出産時の予防についてですが、例えば日赤要員が参加した直近のフィールドホスピタル(タイプ2)は、今年(2021年)9月-11月まで展開していたハイチ地震です。このフィールドホスピタルで扱った分娩は2ヶ月で113件でした。ここでルーチンに妊婦の血液型と新生児の血液型を調べるのは113件×2=226の血液型検査をすることになり、限られた資源(と時間、労力)をここに投入する価値はないと考えられています。というわけで、赤十字のフィールドホスピタルで妊婦の血液型をルーチンに検査はしたことがないですし、ほかでも聞いたことがありません。

3. 仮に現地で妊婦検診のシステムが稼動しており、地震前はRh血液型不適合妊娠の予防を目的として、抗D人免疫グロブリン製剤の投与が一般的であるというcontextであれば考慮しなければならないかもしれませんが、グロブリン製剤は現地の信頼できる施設から調達ということになるのではないかと思います。ただこのような被災地は今まで経験したことはなく、他団体でも聞いたことがありませんので、これまで日赤では想定したことがありません。